気付けろ! 適法な住宅にも落とし穴がある。
失敗しない不動産購入術 2

■1.
不動産の選び方(一戸建て編)
不動産を素人が選ぶというのは知識がない分リスクが伴う作業です。初めて一戸建てを購入しようと言う方は住宅情報誌や専門書を読み漁っていらっしゃるのではないでいょうか? ここでは住宅情報誌や専門誌に書いていない部分にも焦点を当てて不動産の問題点を語って見たいと思います。

国土交通省「建設着工統計調査報告」 によると住宅着工件数は毎年120万軒〜140万軒の住宅が新しく新築されています。その中の約20万戸が新築マンションです。残りが新築建売住宅と注文建築戸建になります。日本は依然として一戸建て住宅が占める割合が高い訳です。

では一戸建てはどのような問題が多いのでしょう?
実は敷地に起因するものが全体の半数以上を占めます。建築物の敷地については建築基準法で接道、用途地域、斜線制限、建蔽率、容積率、高さ制限等が細かく用途地域別に定められており、新築の物件の場合はその物件が該当する用途地域の項目すべてに合致したものしか建築許可が出ないので違法な物件と言われるものに関しては少ないと思われます。が

しかし本当の問題になるのは上記の建築基準法に出てこない問題の方なのです。ではそれをこれからお話していきます。

■2.高低差の有る敷地は将来的にとてつもない出費を伴う場合がある。

住宅分譲会社等では良く山や丘を切り開いて高低差の有る棚田式の宅地を擁壁を築造して大規模に作って販売していますが、この高低差の有る擁壁こそが将来の大トラブルの原因だとは、どの住宅雑誌を買っても書いていません。全国の地方自治体によって都市計画地域内では崖条例や宅地造成規制法が定められていて、2m超える高低差の有る崖が有る敷地には構造計算され、且つ役所の建築確認許可を取った一定の強度を持った擁壁を作るか、又は崖から相当距離離した場所に家を建築するかのどちらかにしなければ建築許可が出ないのです。

分譲地で2m以上の高低差が有る場合は、前者の建築確認許可を取った一定の強度を持った擁壁を作る方法となりますが、適法に作られた擁壁だとしても経年変化に晒され膨らんだり、ひび割れをおこしたりして劣化した擁壁は役所が危険だと判断した場合にはその擁壁の所有者に対して補修を行うように指導したり、住宅の建て替えを行うには補修をした後でなければ建築許可が出ない場合があります。この様な擁壁の補修には多大な費用が掛かり、場合によっては家が古くなって建て替えを考えていたが、擁壁の修繕費用がかさむ為断念せざる得ない場合も有ります。住宅を購入する場合は宅地や建物に関しては説明を受けます(重要事項説明)が崖条例地区である事に対しての説明は行われますが、その擁壁が経年変化により痛んでヒビ割れたり、膨らんだりしたならば補修をしなければ、再建築の許可が出ない可能性や、その場合は多額な費用が発生する事などは一言も触れられません。重要事項説明義務の範疇には無いからです。

まとめ「高低差の有る敷地の住宅は出来るだけ避ける。」特に高低差2mを超える擁壁が有る土地は購入を控えよう。敷地が擁壁で区切られているような土地はその擁壁がどちらの持ち物かと言う事にも気を配ろう。もしも隣地の持ち物で有る場合はお隣さんに管理補修義務が生じる。自分の持ち物であれば自分が管理補修義務を負うが30年〜50年後は修繕費用を負担する義務を負うことを自覚せよ。因みに高低差が3mあり、その擁壁の長さが15mを超えるものに関しては擁壁のやり直し費用は800万円〜1000万円近く掛かります。
不動産購入の盲点 今まで誰も書かなかった事を書く

ここでは今まであまり語られなかった不動産購入の問題点を語りたいと思います。 

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失敗しない不動産購入術 3 軟弱地盤
(崖付近の建築物)
第10条、通称
崖条例
 崖の高さ(がけの下端を通る30度の勾配の斜線をこえる部分について、がけの下端から その最高部までの高さをいう。以下同じ。)が2メートルをこえる崖の下端からの水平距離が 崖の高さの2倍以内の位置に建築物を建築する場合は、崖の形状若しくは土質又は建築部の
 位置、規模若しくは構造に応じて安全な擁壁を設けなければならない。ただし、次の各号の 一に該当する場合は、この限りではない。 (1)堅固な地盤を斜面とする崖又は特殊な構造方法若しくは工法によって保護された崖で、 安全上支障がないと認められる場合 (2)崖下に建築物を建築する場合において、その主要構造部を鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とした建築物で、崖崩れに対して安全であると認められる場合
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